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by Rica

ヘルメ子ちゃんのうた について


私の母は、勉強しなさい とか、~しなさい と言って何かをさせるようなことはしなかったけど、歌うことが本当に大好きな人で、唯一、幼稚園の一室でやっていた「お歌の教室」というものに、嫌がる私を引きずって連れて行った。そのうち慣れて大好きになったけど、幼稚園の入口で泣いてしゃがみこんでも引っ張られて行ったのをすごく覚えてる
幼児のクラスは基本的にみんなで童謡やみんなの歌の曲をうたう、ぐらいだったか。小さな教室だったけれど、ミュージカルの発表会もあった。ママさんコーラスもあって、母はそれに行きたかったのもあるのかな。とにかく、そうして歌うことが大好きになったことが今の私のルーツ。

何年前だったか、まだ難波屋さん改装前に、独りで弾き語りなんてほんとに数える程の経験しかなかったにも関わらず、リクオさんの前座をするという大役を仰せつかった。レパートリーも少なく、とにかく焦った。何とかオリジナル曲がかけないかと試行錯誤するも、もう全然だめで諦めかけたころ、何かの拍子で「お歌の発表会」の写真が出てきた。
一年生くらいの私と友達が前列で歌って、後ろにママさんコーラスが並んでうたっている。私は本当に毛量が多く、キチっとそろった前髪もサイドもゆるくカーブしながらビッシリしきつまってる。まるでヘルメット。(後ろにかけて長くなっていく感じが、カオリーニョさん曰く「ドイツ型」なんだとか)まわりの大人や年の離れた兄などはかわいいと言ってくれていた気がするが、幼心にすごく嫌だった。それはさておき、
斜め後ろの方の母が一緒に写っていて、私を見てほんのり微笑みながら歌っている。
ということに、その時初めて気がついた。というか、小さい頃以来見たので、初めて認識した。
ライブなんてして人前で歌うのは母が亡くなってからで、一度も観てもらえなかったな、と思っていた矢先だったから、涙が止まらなくなった。
シャイ(いや、ほんとに)な私が、イヤイヤでもお歌の教室に行ったのは、教室の端かどこかで母が「ちゃんと見てるよ!」というサインを送っていたからで、必死で母を探していた気がする。そのうち、慣れて独りで歌えるようになるまでは。
そんなことを思い出して、ヘルメ子ちゃんのうたができた。

タイトルはいつものことだけど、しばらく名無しで「アレ」とか「ソレ」とか言っていた。レコーディングすることになったからには、タイトル要るよね、とカオリーニョさんと話していて、例の写真を見せてみたところ、
「ヘルメットみたいですよね」
「ヘルメット子ちゃん、ヘルメ子ちゃんやね」
と言われたのが耳について、
「ヘルメ子ちゃんのうた」にします となった。



最期まで母は歌っていた
ベッドで最後にうたっていたのは、大好きだったサウンドオブミュージックの「エーデルワイス」
それでヘルメ子ちゃんは三拍子にしたんだったかな
世界一大好きだった母のことを、こういったブログに書きたい衝動が何度かあったが、素直に書けなかった
10年と少しも過ぎたからかな、書いておこう、と思った
今は、泣いて書けなくなることはない
あったかい気持ちになる

それにしても
いくつになっても歌っていいものかな、ヘルメ子ちゃんのうた・・・

んんん  笑
by mmrica | 2016-03-18 05:06 | 日記